ブロック骨移植(自家骨移植)のインプラント治療を解説!治療期間や痛みも

インプラント治療を検討している方のなかには、あごの骨量が少ないことから、自分の骨を移植する治療を勧められた方もいらっしゃると思います。インプラント治療の特性上、あごの骨が足りない状態で治療をおこなうことはできません。

そこで選択肢となるのが、自分の骨を移植する治療法「自家骨移植(じかこついしょく)」ですが、名前を聞いてもどのような治療のことかイメージできない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、インプラント治療における自家骨移植について、種類や治療の流れを詳しく紹介します。失った永久歯をインプラントで取り戻したい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

インプラント治療で骨が足りないと骨移植が必要!

そもそもインプラント治療は、歯を失った部分のあごの骨に金属で作られた「歯根」を埋め込み、そのうえに人工歯を装着する外科手術です。この治療方法を選択するには、歯の土台となるあごの骨がしっかり残っていることが必須条件となります。

体質によるところもありますが、歯が抜けた状態での放置や長期間の入れ歯の装着などにより、あごの骨は痩せてしまいます。この状態ではインプラントを支えられる深さや結合力がなくなり、歯科医院によっては「インプラント治療ができません」と断わられてしまうケースも少なくありません。

そこで必要となるのが、あごの骨を増やす手術です。一度溶けて痩せてしまったあごの骨は自然に再生することはないので、再生治療をおこなうことになります。この手術をおこなうことによって、インプラントを支えるために必要な高さや幅の骨を作ることができるのです。

なお、骨粗しょう症でもインプラント治療は可能ですが、骨密度が低いことや服薬中の薬の種類によっては適用外になるケースもありますので、歯科医師による診断が必要です。

インプラントの骨移植は『人工骨移植』と『ブロック骨移植』の2種類!

インプラントの骨移植の治療には『人工骨移植』『自家骨移植』の2パターンがあり、どの治療法でどのくらい増やすかは、患者さまによってさまざまです。骨移植にかかる治療期間には個人差がありますが、下顎が約4ヶ月、上顎が約6〜8ヶ月が目安となります。

また、手術は麻酔をかけておこないますので術中に痛みを感じることはありませんが、術後10日間ほどは痛みが続くこともあります。ただし、症状や個人差によって期間や痛みの強さは変わりますので、あくまでも目安としてお考えください。

以下で、インプラントの骨移植の治療である『人工骨移植』と『自家骨移植』についてそれぞれ詳しく解説します。

人工骨移植とは?

人工骨移植は、人工素材を使って骨に厚みや高さを出す治療法です。

人工骨移植に使われる素材はおもに「HA(ヒドロキシアパタイト)」「β-TCP(β-リン酸三カルシウム)」の2種類で、どちらもあごの骨や歯を構成する成分が含まれています。

これらの化合物の粉末を骨が足りない部分に埋め込むと、時間の経過とともに骨を再生(再建)してくれるので、インプラントを支える土台を作ることが可能になります。

どのくらいの量を増やすのかは、患者さまのあごの骨の状況をみて「どのくらい高さが必要か」や「どのくらい幅が不足しているか」などによって調整することになります。

ブロック骨移植(自家骨移植)とは?

一方、ブロック骨移植(自家骨移植)は、体の一部の骨を切り出して骨が不足している部分に移植することです。

ブロック骨移植は、人工骨移植など別の方法では十分な骨の量が得られないことが想定される場合、 自分の体の一部の骨をブロック状に切り出し、骨を増やしたい箇所に移植する手術となります。

移植する骨は下顎枝(下顎の一番奥にある歯=の外側あたりの骨)より採取する場合が多いです。また、先述の人工骨移植とブロック骨移植は併用するケースもあり、患者さまのお口の状態にあわせて治療法を選択していくことになります。

どちらも数時間程度で終わる手術のため、入院の必要はなく、当日お帰りいただけます。

ブロック骨移植(自家骨移植)治療の流れ

ここからは、ブロック骨移植(自家骨移植)の治療の流れを詳しく紹介します。

「骨移植」と聞くと不安を感じる方も多いかもしれませんが、どのようなことをおこなうのかを知っておくと治療のイメージが湧きやすくなると思います。

具体的にどのようなことをするのか、1つずつ治療内容をみていきましょう。

①静脈内鎮静法をする

まず、静脈内鎮静法(セデーション)にて麻酔をかけます。

全身麻酔ではないため入院は不要ですが、薬剤の点滴で意識を落とす方法(ぼーっとして不安を感じないような状態)になるため、車の運転などはできませんのでご注意ください。

②移植する歯ぐきを切開する

麻酔が効いてきたら、骨を移植する部分(受容側)の歯茎を切開し、骨面の処理と移植が必要な骨の量を確認します。

③移植する骨の一部を切り出す

次に、移植する骨の採取する部位を切開し状態を確認します。

採取する骨にピエゾサージェリーという超音波切削器具で切れ目を入れ、医療専用のノミ(骨ノミ)を使い骨の一部をブロック状に切り出します。骨の切り取りが完了したら患部を縫合します。

④足したい所に骨を固定する

取り出した骨を移植したい側の骨の形に合わせてトリミング(形を合わせること)します。

トリミングしたブロック骨が受容側の形態とぴったり合うことが確認できたら、それを受容側の骨にチタン製のスクリューにて固定します。

固定したブロック骨は、どうしても周りにスペース(隙間)ができてしまいます。

そこを人工骨素材で埋めていき、コラーゲンでできたメンブレン(人工膜)で覆い保護しておきます。最後に患部を縫合してブロック骨移植の手術は終了です。

術後1週間ほどは、骨を固定している部分以外での咀嚼を心がけて、「おかゆ」や「うどん」などの柔らかい食事をとっていただきます。

⑤抜糸と消毒する

術後2週間程度経ったら、縫合した部分の抜糸と消毒をするためご来院いただきます。

そのあと、特に痛みや腫れなど異常がなければ、移植した骨がしっかり安定するまで待つことになります。なお、移植した骨が安定するまでの期間は、個人差もありますが約6か月程度となります。

⑥インプラントを埋める

移植した骨が安定し完全にくっついたら移植は完了となります。この状態になれば、フィクスチャー(人工歯根)を埋入することも可能となりますので、インプラント治療を進めることができるようになります。

さらにフィクスチャーと骨がしっかり結合したあとは、アバットメントや人工歯を装着してインプラント治療完了です。インプラントがしっかりと固定されるまでの期間に、強い衝撃や刺激が加わると、正常に定着しなくなってしまうので注意してくださいね。

あとは歯科医師の指示に従い、定期検診にてメンテナンスしていく流れとなります。

ブロック骨移植(自家骨移植)のインプラント治療は当院におまかせください

今回は、ブロック骨移植(自家骨移植)のインプラント治療について解説しました。ブロック骨移植はかなり難易度の高い治療法のため、どの歯科医院でも対応できるものではありません。

ブロック骨移植や人工骨移植をともなうインプラント治療は、口腔外科の経験が豊富な歯科医師と、しっかりとした医療設備が整っていることが必須条件です。

そのため、治療の際は、しっかりと検討して後悔しない歯科医院選びが重要なポイントとなります。

当院『秋葉原総合歯科クリニック』では、日本口腔インプラント学会の専修医がブロック骨移植のインプラント治療を担当いたします。

さらに、精密な治療を可能にする「歯科用マイクロスコープ」や「デジタルスキャナー」などの最新医療設備を整えており、痛みや出血など、患者さまの負担を最小限におさえる治療を心がけております。

他院にて「骨が足りない」「インプラント治療できない」と言われた方も、ぜひ秋葉原総合歯科クリニックまでご相談ください。

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