GBR(骨誘導再生法)とはどんな治療法ですか?

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以前のブログでも触れましたが、インプラント治療を安全におこなうためには、顎の骨に一定の高さと厚みが必要です。顎の骨量が十分でないと、インプラント体(フィクスチャー)をしっかり顎の骨に固定できないため、インプラント治療そのものができないからです。

事前の検査で骨量不足と診断された場合、インプラント治療を諦める、もしくは骨を増やすための治療をおこなうかのどちらかの選択となります。もしインプラント治療を希望する場合、事前に顎の骨の量を増やすための治療を受けていただく必要があります。

その治療のひとつが「GBR(Guided Bone Regeneration)」 で、日本語にすると「骨誘導再生法」となります。

 

 

人間の顎の骨(歯槽骨)は、歯周病が悪化したり歯が抜けてしまうと、骨吸収されて痩せて(減少して)しまいます。また、一度過去に骨が欠損した部分においては、骨を造成する「骨芽細胞」よりも、骨にならない「繊維芽細胞」の方が増殖しやすいという傾向があります。つまり、何も処置をしなければ自然に失った顎の骨が回復することは無いということです。

つまり、骨量を回復させるためには次の2点が必要不可欠となります。

 

①骨の素になる材料を、骨が失われた場所に補填

②骨形成の妨げになる「繊維芽細胞」の侵入を防ぐための処置

 

それでは上記① ②について詳しく解説させていただきます。

 

①骨の素になる材料を、骨が失われた場所に補填

本来骨があったにも関わらず、歯周病や歯の欠損等で骨が減ってしまった部分に、骨の素になる材料(自家骨や人工骨などの骨補填剤)を注入して、骨の再生を促します。

 

②骨形成の妨げになる「繊維芽細胞」の侵入を防ぐための処置

骨の素になる材料を入れても、新しい骨の形成を妨害する「繊維芽細胞」が増殖してしまうと意味がありません。「繊維芽細胞」の侵入を防ぐためには、「メンブレン」という人工膜で、人工骨や骨補填剤を注入した部分を覆い、物理的にブロックする必要があります。

上記①②の処置をおこない、4~6ヵ月程度時間を置くと、注入した人工骨や骨補填剤が骨として再生し、インプラント治療ができるだけの骨量が回復します。

 

GBR法をつかったインプラント治療の流れ

それでは最後にGBR法をつかったインプラント治療の流れについて説明させていただきます。

 

(1)自家骨の採取、骨補填材の準備
骨が欠損している部分に充填する自家骨(自分の他の部位から採取した骨)や骨補填剤(骨の再生に用いられる材料)を用意します。

 

(2)インプラント体(フィクスチャー)の埋入
チタンでできたインプラント体(人工歯根ともいいます)を、顎の骨に埋入します。

 

(3)自家骨または骨補填材の充填
骨を再生させたいスペースに、先ほど準備した骨補填剤や、細かく砕いた自家骨を入れます。

 

(4)メンブレン(人工保護膜)で覆う
再生させたい部分への骨補填剤等の重点が完了したら、その部分をメンブレンという人工保護膜をかぶせて覆います。ちなみにメンブレンには、チタン等でできた非吸収性のものと、コラーゲンなどを原料とした吸収性のものがあります。

 

(5)歯肉の縫合
メンブレンをかぶせ終わったら、歯肉をかぶせて患部を縫合します。個人差はありますが、4~6か月程度を置いて、骨の再生と埋入したインプラント体との結合を待ちます。

 

(6)人工歯の装着
数ヶ月時間を置いて、しっかり骨が再生し人工歯根と結合していることが確認できたら、インプラントの上部構造(人工歯)を取り付けて治療完了です。

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