虫歯ができてしまう原因は何なのか?

今回から虫歯やその治療に関するテーマについて、数回に分けてお話させていただきたいと思います。第一回目の今回は「虫歯ができてしまう原因」について解説させていただきます。虫歯の原因に関しては、耳にタコができるくらい聞いてきたよ・・・という方もいらっしゃるかもしれませんが、虫歯を予防するためには基本中の基本の情報なので、ぜひ改めてお読みいただけると嬉しいです。

まず最初にですが、健康な歯の構造をご覧ください。

健康な歯

健康な歯は、外側から「エナメル質」⇒「象牙質」⇒「歯髄(歯の神経)」という構造になっています。

 

一方で、今度は虫歯になってしまった歯をご覧ください。

虫歯になった歯

画像は「C3」程度の虫歯の断面図ですが、エナメル質や象牙質が溶けて穴が空き神経に達してしまっています。(ちなみにこの状態になってしまうと我慢できないような激しい歯の痛みに襲われます)

 

そもそもですが、歯の表面を覆っているエナメル質は人間の体の中で最も硬い組織で、物質の硬さを測る単位(モース硬度)で表すと、10段階中「7」となります。わかりやすいように比較対象を挙げると、チョークは「1」、鉄や真珠は「4」、ガラスは「5」、水晶は「7」ダイヤモンドは「10」となります。つまり歯のエナメル質は、ちょっとやそっとの刺激や力では傷ついたり穴が空いたりしないのです。

しかし、そんな硬度を誇るエナメル質にも穴を空け、ボロボロにしてしまうのが、お口の中の細菌が作り出す「酸」なのです。

 

虫歯菌(ミュータンス菌)

 

お口の中にはもともと膨大な数の細菌が住んでおり、歯磨きやフロスなど口腔ケアをしないと、どんどん増えていきます。人間が食事をすると、歯の表面や歯と歯の間に食べかすが残り、そのまま放置すると「プラーク(歯垢)」になります。人間が食べる食事には、かなりの量の「糖質」が含まれています。プラークの中に潜む細菌(主にミュータンス菌など)は糖が大好物なので、それらを栄養源にして酸を作り出します。その酸が歯の表面のエナメル質を徐々に溶かしていき、その部分が黒くなったり穴が空いてボロボロになった状態が虫歯です。

 

目次

虫歯を防ぐためにやるべきこと

 

①食事管理
先ほども軽く触れさせていただきましたが、虫歯の原因となるミュータンス菌は「糖」を栄養源にして増殖したり酸を作り出します。甘いものを頻繁に食べたり、長時間口の中に糖分がとどまる食べ物(飴やキャラメルなど)を摂取すると、ミュータンス菌が活性化し虫歯のリスクが高まります。

ちなみに自然界にいる動物が歯磨きをしないのに虫歯にならないのはなぜだと思いますか?それは人間が摂る食事と違って、動物が食べる餌には糖分がほとんど含まれないからです。一方で人間が食べる食事は、ご飯・パン・麺類などの炭水化物、砂糖やみりんで味付けされたお惣菜、甘い果物やスイーツなど、糖分が大量に含まれているため、きちんと歯ブラシやフロスなどで口腔ケアをしないと虫歯になってしまうのです。

 

②セルフケアとプロケア
口腔ケアには「セルフケア」と「プロケア」の2種類があるのですが、その違いをご存知ですか?セルフケアというのは、自宅での歯磨きやフロスなど自分自身でおこなう口腔ケアのことです。一方でプロケアというのは、歯医者さんに行って国家資格者である歯科衛生士が、専用の機械や器具を使ってプラークや歯石を除去する口腔ケアの事を指します。

歯医者さんでプロケアを受けるのは年に3~4回くらいの場合が多いですが、頻度が低いのでこれだけでは不十分です。毎日ご自身でおこなうセルフケアの方が圧倒的に時間のウエイトが大きいので、正しいセルフケアの方法と適切なケアグッズを使って自分の歯をメンテナンスしていきましょう。

今日も最後までブログをご覧いただきありがとうございました!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!