金属のバネの無い入れ歯「ノンクラスプデンチャー」について

こんにちは!医療法人社団聖匠会 秋葉原総合歯科クリニック 院長の野村です。前回は金属床義歯の特徴について詳しくお話させていただきました。

金属床義歯の特徴についてのブログはこちら

今回は、数ある入れ歯(義歯)の種類のひとつ「ノンクラスプデンチャー」について詳しくお話させていただきたいと思います。

早速ですが「ノンクラスプ」と言われても、一般の方にはほぼ馴染みがない言葉なので歯科医療に関わる人以外はピンとこないと思います。クラスプとは、金属のバネ=留め金を意味し、部分入れ歯を支えるためにご自身の歯にひっかける部品のことです。つまり、ノンクラスプデンチャーとは「ノン(打消しの意)」+「クラスプ」の入れ歯を意味し、金属製のバネを使用しない入れ歯のことを指します。

目次

なぜ「ノンクラスプデンチャー」が生まれたのか

クラスプ(金属のバネ)を使用する入れ歯は、主に保険適用の部分入れ歯となっているのですが、金属を使用しているためお口を開けたときにどうしても目立ってしまいます。つまり、入れ歯であることが相手からわかってしまうというデメリットがあるのです。「入れ歯を使っていることをできるだけ他人に知られたくない」という方もいらっしゃるので、そういった方でも安心して入れ歯を装着いただけるように、ノンクラスプデンチャーが開発されました。

ノンクラスプデンチャーはこんな方におすすめです!

◎保険の入れ歯の金属部分の見た目が気になる方
◎保険の入れ歯のバネによる締め付けが気になる方
◎少数歯の欠損(1~3本程度)の方
◎初めて入れ歯を作られる方(入れ歯は最初かなり違和感を感じます。ノンクラスプデンチャーならフィット感が良く保険の入れ歯より慣れやすいと言われています)

ノンクラスプデンチャーのメリットとデメリット

<メリット>
①金属製のバネを使用していないので、笑った時や会話をするときに目立ちにくい

②保険適用の入れ歯より柔らかい素材を使っており、床の部分も薄いので、痛みや違和感が少なく装着感が良い

③入れ歯の「床」の部分を広げて歯茎を覆う形なので、周囲の歯への負担を軽減することができる。

④フィット感が良いので、入れ歯が外れたり、ずれたりすることが少なくなる

⑤自費診療のため保険は適用されませんが、金属床義歯と比較するとコストも安価。

<デメリット>
①欠損した歯の本数や部位により、適応できない場合がある

②土台部分(ピンク色のプラスチック部分)の素材が吸水性のあるものだと、臭いが発生する場合がある

③金属床の義歯と比較すると素材の劣化もあり丈夫さは劣るので、耐久性にやや難あり

④機能面(咀嚼機能など)は保険の入れ歯と大きな差がない

⑤材質に柔軟性がありたわむので、入れ歯を支える自分の歯(天然歯)や歯肉、骨にダメージが蓄積される

⑥入れ歯が壊れてしまった時の修理や調整が難しい

⑦金属床義歯よりは安価がだが、自費診療となるため保険の入れ歯よりは高額になる

いかがだったでしょうか?ご覧いただいた通り、ノンクラスプデンチャーは見た目や装着感など素晴らしいメリットもありますが、耐久性や壊れた時の修理の難しさ、コスト面などデメリットもあります。

患者さんご自身のお口の状態や、入れ歯に求めるもの(重要視しているポイント)によって、その人にとってのベストな入れ歯は変わってきますので、よくお考えの上お選びいただきたいと思います。

もしお考えいただく上で疑問に思っていること、教えて欲しいことなどがあれば、遠慮なく当院の歯科医師までご相談いただければと思います。

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