歯周組織再生療法とは?

いつも当院のブログをご覧いただきありがとうございます!秋葉原総合歯科クリニック 院長の野村です。今年の夏は厳しい暑さが続きましたが、暑さもようやくひと段落し、秋の気配を少しずつ感じるようになってきましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすいですが、皆さまどうぞご自愛ください!

 

早速ですが、今回は「歯周再生療法」について詳しく解説させていただきます。歯周再生療法と聞いてもあまり馴染みの無い言葉なので、多くの方はピンとこないと思います。簡潔に説明すると「歯科の2大疾患の1つである歯周病の進行により失った歯周組織を再生させる治療方法」です。

 

歯周組織と歯周病の関係

歯周組織とは、歯の機能を支持している歯の周囲の生体組織のことを指します。具体的には、歯を支える歯槽骨、歯茎(歯肉)、歯根と歯槽骨との間にある歯根膜、セメント質で構成されています。

健康な歯の断面
健康な歯は歯肉がピンク色で引き締まっており、歯周ポケットも浅くなっています。当然歯槽骨の吸収(骨が溶けて退縮してしまうこと)もないため、歯の動揺もありません。

 

歯周病に侵された歯の断面

一方で歯周病が進行した歯は、歯肉が赤く腫れぶよぶよになり歯周ポケットが深くなります。歯肉を押すと血や膿が出て口臭も強くなります。徐々にではありますが、歯周病菌が歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしていくため、歯がぐらぐらと動揺するようになり、最終的には抜け落ちてしまいます。

 

つまり、歯周病が進行し中度から重度になると、歯肉や歯槽骨などの歯周組織が徐々に破壊されていき、最終的には歯が抜け落ちてしまうのです。このような状態になってしまった患者さんの歯を何とか残すための治療法のひとつが「歯周組織再生療法」です。

 

歯周組織再生療法とは?

歯周病になってしまった場合、基本的には「歯周基本治療」をおこないます。歯周基本治療とは、国家資格者である歯科衛生士による処置(プロケア)と、患者様ご自身が自宅でおこなう口腔ケア(セルフケア)の2本立てで歯周病の症状を改善させていく治療の事を指します。

まず歯科衛生士による「プロケア」ですが、歯周病の原因であるプラークや歯石(バイオフィルムと呼ばれるものです)を専用の医療機器や器具を使って取り除くことで歯周病の症状を改善させていきます。

次に「セルフケア」ですが、歯科医師や歯科衛生士からのアドバイスをもとに、患者様ご自身が自宅でプラークコントロールをおこなうことを指します。具体的には歯ブラシを使ったブラッシング、フロスや歯間ブラシによる清掃、洗口液やフッ素入りのジェルの塗布などが挙げられます。

歯周病の程度が「軽度」の場合、こちらの歯周基本治療を続けることで歯周病の進行が止まり症状が改善していきますが、中度から重度になると歯周基本治療をおこなっても症状の進行を止めることができない場合があります。このような状況になってしまった場合は、歯周外科手術により歯肉を切開し剥離することで、歯周基本治療で取り除けなかった歯肉内のバイオフィルム(歯垢や歯石)を綺麗に取り除きます。

この際、事前の診査・診断で歯槽骨の欠損が著しい場合、歯周組織の再生に効果が期待できる薬剤を注入し歯周組織の再生を促すのが「歯周組織再生療法」です。歯周病によって破壊された歯周組織は、そのまま時間を置いても自然に回復することはありません。もし歯周病の進行を食い止め、自分の歯が抜け落ちるのを防ぎたい場合は、歯周組織再生療法を検討いただくことになります。

 

歯周病の治療

歯周組織再生療法にはいくつか種類があるのですが、それはまた次回のブログで詳しく解説させていただきます。

今回も最後までブログをお読みいただきありがとうございました!

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