こんにちは!東京都台東区にある秋葉原総合歯科クリニック 院長の野村です。いつも当院のブログをお読みいただきありがとうございます。
今回は「最新の型取りの仕方」について詳しく解説させていただきます。
まず最初に、虫歯になった際の治療方法と流れについておさらいさせていただきます。「虫歯治療」と一言で言っても、虫歯の程度によって治療方法は異なります。
虫歯の程度の説明
①「C0」ごく初期の虫歯(脱灰により歯の表面が白く濁る)
②「C1」歯の表面(エナメル質)にできた虫歯
③「C2」歯の深い部分(象牙質)まで達した虫歯
④「C3」象牙質を通り越し、神経まで達してしまった虫歯
⑤「C4」歯冠が崩壊し神経が死に、歯根まで達した虫歯
※「C1」の状態の虫歯
※「C2」の状態の虫歯
※「C3」の状態の虫歯
※「C4」の状態の虫歯
①「C0」に関しては、適切なブラッシングやフッ素塗布をおこなうことで、歯の表面のエナメル質の再石灰化を促し治癒にもっていきます。②「C1」に関しては、虫歯になってしまった部分を最小限だけ削り、レジンという歯科用プラスチックを詰めて治療をおこないます。
しかし、③「C2」以降のレベルの虫歯治療においては、削ったり根の治療(根管治療)をするなど状態に合った処置をおこなった後に、詰め物、かぶせ物、入れ歯、ブリッジ、インプラントといった「補綴物(ほてつぶつ)」を作り、失ってしまった歯の機能や見た目を回復させる必要があります。
補綴治療で使用する「補綴物=技工物」をつくるためには型取り(印象)という工程が必要で、従来は「ぐにゃっ」としたアルジネート印象材を噛んでもらい、固まるまで数分お待ちいただく必要がありました。
現状まだ多くの歯科医院でアルジネート印象がおこなわれていますが、こちらの型取りには以下のような欠点があります。
アルジネートによる印象(型取り)のデメリット
◆印象材が固まるまで時間がかかる。
◆嘔吐反射(口に異物が入った際に「オエッ」となる生理的反応)が強い患者さんの場合、型取り時に苦しい思いをさせてしまう。
◆型取りを失敗してしまうと、再度印象材を噛んでいただくことになり、時間がかかってしまう。
◆型取りした模型が現物のみとなるので、破損や紛失のリスクがある。
こうした課題をクリアするために生まれたのが、コンピュータ制御によって詰め物・かぶせ物を設計・製作するCAD/CAMシステム「セレック(CEREC)」です。最先端の3D光学カメラを口腔内に入れてスキャンすると、短時間で口腔内の映像がデータ化されコンピュータ上に再現されます。
こちらのシステムを導入することで、患者様に負担をかけることなく短時間で口腔内の型取りができます。また、型取りしたデータはコンピュータ上に保管されるため、紛失や破損といったリスクが軽減されます。
アルジネートを使った印象の場合、模型のやり取りをリアルな物流(郵送や宅配)に載せて歯科技工所とやり取りするため、型取りから補綴物のセットまで時間がかかってしまいます。しかし、セレック(CEREC)システムの口腔内スキャナーで型取りすると、スキャンした情報がデータで保存されるため、スピーディに技工物を製作することができるようになります。しかも、院内にミリングマシンという、ブロックから歯を削り出す機械があれば最短その日のうちに治療を終えることもできます(1dayトリートメントの詳細はこちら)
当院は「セレック(CEREC)」システムを導入しておりますので、型取りに関して何かわからないことがありましたら、遠慮なく当院歯科医師や歯科衛生士までおたずねください!
本日も最後までブログをお読みいただきありがとうございました!