人工骨とは何か?どんな時に使うのか?

人工骨とは、怪我や病気等の理由で骨の一部が欠損もしくは溶けて無くなってしまった部分に、骨を構成する成分を人工的に加工したものを患部に填塞し、失ってしまった骨の再生を促すものです。

ちなみに、歯科治療において人工骨を使用する場面は大きく2つあります。1つ目は顎部分の怪我(顎顔面整形領域)で骨が欠損した部分に填塞するケース。もう1つが歯周病などが原因で顎の骨量が足りない患者さんがインプラント治療をおこなう場合です。インプラント治療で骨移植をおこなうケースですが、もともとの体質や歯周病による骨吸収などが原因で顎の骨が薄くなってしまった際に、骨に厚みを持たせるためにおこないます。

ところで、なぜ顎の骨が薄いとインプラント治療ができないのか説明させていただきます。まずインプラント治療をおこなうためには、フィクスチャーというチタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込む必要があります。その際、顎の骨に一定の厚みがないとフィクスチャーを埋め込むことができず、結果的にインプラント治療ができないのです。

ですので、顎の骨量が足りない場合、骨移植で厚みの足りない部分に新たな骨を再生させて厚みを持たせ、インプラント治療が可能な土台を作ることになります。 つまり顎の骨が薄くて(骨量が少なくて)インプラント治療ができないなら、顎の骨を人工的に作って治療をできるようにしてしましょうという発想 です。

なおこちらは余談となりますが、骨移植には大きく2つのパターンがあります。1つ目は「自家骨移植」、もう1つが「人工代用骨移植」です。

 

自家骨移植

自分の体の骨(自家骨)の一部を取ってそれを患部に移植し、数ヶ月かけて骨を馴染ませ定着させます。主に再骨する部分は①下顎枝(下顎骨の一部)、②上顎結節(上顎最後臼歯の更に奥のやや膨らんでいる部分)、③腸骨(四肢動物の腰帯を構成する骨の一つ)、④膝蓋骨(しつがいこつ)などがあげられます。

 

人工代用骨移植

歯や骨を構成する成分などを人工的に加工した粉末状のものを、骨を増やしたい部分に填塞してしばらく時間を置くと、それが自分の骨として再生します。人工代用骨は主に下記の2種類が使われることが多いです。

①HA(ヒドロキシアパタイト)
HA(ヒドロキシアパタイト)は、リン酸カルシウムでできた歯や骨を構成する成分となります。ヒトの元々生えている歯(天然歯)のエナメル質部分の成分構成は、約97%がHA(ヒドロキシアパタイト)となります。

②β-TCP(β-リン酸三カルシウム)
カルシウムのリン酸塩を粉末にしたもにの高い圧力をかけて、1000~1300の高温で焼いたものが主成分となっています。なおβ-TCPは、生物学的に骨組織と一体化するという特徴を持っています。

 

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