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前回のブログの「インプラント治療の流れ」でもご説明させていただきましたが、インプラントは短時間かつ短期間で完了する治療ではありません。インプラント治療(2回法)を受ける場合、最初のカウンセリング(インプラント相談)や検査・治療計画の作成からはじまり、待期期間を含む2度の外科手術を受け、ようやく人工歯(上部構造)がセットされます。個人差はありますが、上の歯(顎)で約6か月、上の歯(顎)で約12か月(1年)程度の期間は必要となります。
今回はインプラント治療でおこなう2つの外科手術について詳しく解説させていただきます。
一次オペ(インプラント埋入手術)
まず最初に、インプラントの構造について説明させていただきます。インプラントは以下の3つの部品から成り立っています。
【A】フィクスチャー(人工歯根)
【B】アバットメント(連結部品)
【C】上部構造(人工歯)
つまり、これら3つがすべてセットされて、はじめてインプラント治療が完成するのです。治療を進める上でまずはじめにおこなうのは、【A】のフィクスチャー(人工歯根)を顎の骨に埋め込む外科手術となります。これは一次オペ(インプラント埋入手術)とも呼ばれ、下記のような流れでおこなわれます。
①麻酔をした後に歯肉を切開し、インプラントを埋入する穴を顎の骨(歯槽骨)にあけます。この処置は、専用のドリルを使って埋め込むフィクスチャー(人工歯根)と同じ長さ、太さと長さの穴をミリ単位で精密にあける工程となります。
②ドリルであけた穴に、インプラント体(人工歯根)を埋め込みます。インプラント体の上部にあるネジ穴が、骨や歯肉など歯周組織でふさがらないようにするため、専用の蓋(カバー)を装着します。
③埋入したインプラント体が露出しないように、歯肉を縫い合わせて傷口を塞ぎます。これで一次オペは終了となります。オペ終了後傷口が塞がり回復するまでの間、定期的に消毒をおこない経過観察をおこないます。
④インプラント体が顎の骨と結合するまで3か月~6か月程度時間がかかるので、その間埋入箇所に大きな負荷をかけないように注意して待つことになります(結合するまでの期間は、埋入部位や個人の体質により前後することがあります)
二次オペ(アバットメントの連結手術)
①インプラント体と顎の骨が定着する頃合いを見計らってインプラント体を埋め込んだ部分の歯肉を切開し、装着した蓋(カバー)の上に新たに生成された骨を削って蓋を外し、ネジ穴を露出させます。
②アバットメントと呼ばれる連結部品を装着するため、インプラント体周囲の不要な骨を削り、形を整えます。
③インプラント体にアバットメントを装着し、歯肉の上に露出している状態にして手術は完了です。処置後は切開した歯茎の形が整うまで、1~2週間程度様子を見ます。
※2次オペ終了後、順調に傷口が回復し落ち着いてきたら、型取りをして人工歯(上部構造)を作ります。できあがった人工歯を土体に装着してインプラント治療が完了となります。
オペをおこなうにあたっての注意事項
【オペ前の注意事項】
◆外科手術を伴いますので、前日は十分に睡眠をとり体調を整えてください。また、アルコール飲料の摂取(飲酒)は避けてください。
◆手術前は歯磨きを丁寧におこなっていただき、清潔な口腔内にした状態でお越しください。
◆手術当日は血圧計などの器具を装着することもあるため、ゆったりとした楽な服装でお越しください。
◆お口の周りを消毒したり、指先に医療器具をつけることもあるので、当日は化粧やマニキュアを落としてご来院ください。
【オペ後の注意事項】
◆麻酔が切れるまでは食事を避けてください。唇や歯肉を噛んで傷つけてしまう可能性があります。
◆オペ当日はアルコール摂取(飲酒)を避け、辛い物や固いものなど刺激の強いお食事は避けてください。また手術部位で食べ物を噛まないでください(反対側で噛んでください)
◆オペ当日の入浴はシャワー程度にして、湯船に浸かるのは避けてください。
◆手術部位には歯科医師の許可が出るまで歯ブラシを当てないでください。歯磨きができない代わりに、うがい薬をお渡ししますのでそれで「ぶくぶくうがい」をしてください。患部以外の歯は通常通り歯磨きしていただいた大丈夫です。
◆手術部位を指で触ったり、舌で刺激するのは避けてください。傷口の回復やインプラント体と骨の結合が悪くなる可能性があります。
こんな方はオペを受けることができません
◆顎の骨の成長がまだ終わっていない方(16歳以下)
◆顎の骨の量が少なく薄い方や骨粗しょう症の方
◆妊娠されている方
◆放射線治療を受けている方
◆糖尿病や全身疾患をお持ちの方
◆重度の歯周病にかかっている方
◆喫煙やアルコールを多量に摂取されている方