マウスピース矯正で、出っ歯が治る!?治療方法は?

患者さんが矯正治療をおこなう理由は色々とありますが、ガタガタの歯並びを治したいという理由以外に「出っ歯を治したい」という声をよく聞きます。マウスピース矯正をおこなっていると「マウスピースでも出っ歯は治せるのですか?」と聞かれることがあるのですが、結論からお伝えすると「程度によっては治すことは可能」です。

つまり、軽度の出っ歯ならマウスピース矯正で治せることが多いのですが、重度の出っ歯の場合、顎の骨格自体に異常がある可能性が高いため、その場合は外科処置で顎の骨を削るなどの治療が必要になる場合があります。

それでは軽度の出っ歯をマウスピース矯正で治すには、どのような方法があるのでしょうか?大きく分けると以下の2つの方法があります。

①歯を抜かずにマウスピースで矯正する方法

②歯を抜いてからマウスピースで矯正する方法

 

そもそも大前提の話なのですが、矯正治療で歯を動かすためには、歯を移動させるための「スペース=隙間」が必要になります。つまり治療の第一ステップは「スペース」を確保することから始まります。

 

①歯を抜かずにマウスピースで矯正する方法

上の前歯を移動させるために上の奥歯を後ろに移動させ、スペースを作る方法があります。まずは上の奥歯を移動させて隙間を作ります。シミュレーションしていた位置まで奥歯が移動したら、その後隣の歯から順番に歯を移動させていき、作った隙間を前歯の方に持ってきます。その隙間を利用して前歯の出っ歯を矯正していくことになります。

しかし、奥歯を動かすことには限界があるため、その場合、歯と歯の間をわずかに削ってスペース(隙間)を作り矯正していく場合もあります。

 

②歯を抜いてからマウスピースで矯正する方法

①の方法で十分なスペース(隙間)がつくれない場合、抜歯をしてスペースを作る必要があります。できることなら天然の歯は残しておきたいところですが、顎が小さかったり、歯1本1本が大きく、歯を移動させるだけでは十分なスペースが確保できない場合は、抜歯をしてスペースを作り、歯を移動させることになります。

ただし、抜歯の本数が多かったり、歯を動かす距離が長くなる場合、マウスピース矯正では対応しきれない場合があります。その場合は金属の装置を使ったワーヤー矯正をご案内させてもらう場合があります。

また、患者さんから「インビザラインで治療すると出っ歯になるのでしょうか?」という質問を受けることがあります。この質問に対する回答ですが、正確な検査結果と十分な知識をもって正しい治療計画が立てられないと、出っ歯になる可能性があります。具体的には、歯を動かすためのスペースの見積もりが甘く、十分な隙間が無いまま治療を進めてしまうと、前歯が前に出てきてしまい出っ歯になってしまいます。

また、歯が綺麗に並んだからといって治療が成功したわけではありません。見た目が綺麗になったとしても、噛み合わせなどの機能面が十分でなければ意味がありません。

マウスピース矯正は、自分でマウスピースを装着して治療をすすめるため「手軽」なイメージを持たれることがありますが、実はとても奥が深く難しい治療なのです。十分な知識と臨床経験を持った信頼できる歯科医院で治療を受けることが大切です。

何かわからないことや相談事がありましたら気軽に当院ドクターまでお声がけください。

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