インプラント治療のガイド手術って何?

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インプラント治療をおこなうにあたり、フィクスチャー(人工歯根)を顎の骨に埋入する1次手術と、フィクスチャーと上部構造(人工歯)を連結させるアバットメントの連結手術といった外科手術が必要になります。

いうまでもありませんが、インプラント治療における外科手術は口腔内の一部を切開し、歯肉等の歯周組織や顎の骨に対して処置をおこないますので、体への負担があるのはもちろん、組織を傷つけるリスクがあります。口腔内は人体における「頭部」に位置するため、重要な神経や血管がたくさん通っています。特に1次手術は歯肉を切開し露出した顎の骨にドリルで穴を空け、そこに人工歯根を埋め込む処置のため、精密かつ慎重な対応が必須となります。

そこで、より安全にインプラント手術をおこなうために開発されたのが「ガイド手術(ガイデッドサージェリー)」です。ガイド手術の流れと概要を簡単に説明すると下記の通りとなります。

 

ガイド手術の流れ

①まず最初に歯科医師がお口の中を検査します。そしてCT撮影や口腔内写真撮影をおこない、患者さんのお口のデータを取ります。

 

②取得したお口のデータを、専用のソフトを使ってコンピュータ上でシミュレーション(擬似手術)します。

 

③ソフト上で理想的なシミュレーションができたら、手術用のガイド(マウスピースのような形のもので、人工歯根が正しい埋入位置や角度に入るように穴が開いています)を用意します。

 

④手術当日は、事前に作った手術用ガイドを患者さんのお口に装着し、事前にシミュレーションした通りに埋入手術をおこないます。

 

どんなに経験を積んだ腕の良いインプラント専門医でも、人間がおこなう以上ミスが無いとはいいきれません。しかし、このガイドを使って手術をおこなうことで、より正確な位置、角度、深さに人工歯根を埋入できるため、より安全性が高まります。手術用ガイドには埋入予定箇所に人工歯根が入るように穴が開いているので、間違った箇所に埋入する可能性は限りなくゼロに近くなります。また深さに関しても予定していた深度に達した段階でそれ以上深く削れないようになっているので、事故も起こりにくくなります。つまりインプラント手術をより正確におこなうために、精密な「ものさし」をつかうようなものなのです。

 

ちなみにごく当たり前のことではありますが、家やビルなどを設計図無しで作ることはありますでしょうか?当然そんなことはあり得ず、必ず事前にシミュレーションをした上で設計図をつくり、それに従って工事を進めるはずです。

インプラント手術も同じことで、フリーハンドのインプラント手術だと歯科医師の経験や感覚に頼らざるを得ないため100%正確な手術を毎回同じようにおこなうことは難しいのです。先ほども申し上げた通り、口腔内には極めて重要な神経や血管が通っており、フィクスチャーの埋入位置が1ミリでもずれたらそこを損傷させてしまう危険もあるのです。もし万が一神経などを損傷してしまったら、麻痺やしびれが残ってしまうなど取り返しのつかない医療事故にもつながるのです。

ガイドを使った手術は通常のインプラント手術より手間も費用もかかってしまいますが、治療をおこなう上で最も大事なのは「安全性」と「確実性」です。安心してインプラント治療を受けたい患者さんにはおすすめの治療方法となっていますので、ぜひ選択肢のひとつとして前向きにご検討ください。当院歯科医師におたずねいただければ費用を含めて詳しく説明させていただきます。

 

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