歯のホワイトニング① オフィスホワイトニング

いつも秋葉原総合歯科クリニックのブログをご覧いただきありがとうございます。テレビ番組、インターネットの広告、雑誌の特集など様々な媒体で、歯を白くするための「ホワイトニング」というフレーズを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか?「ホワイトニングっていうくらいだから、歯医者さんに行って歯を白くするんでしょ?」くらいのイメージは持たれていると思いますが、ホワイトニングの種類、歯が白くなるメカニズム、治療の流れや注意事項まで詳しく理解されている方は少ないのではないかと思います。というわけで、今回から3回にわたって、歯のホワイトニングについて色々とお話させていただきます!

目次

ホワイトニングとは

ホワイトニングとは、通常の歯磨き(ブラッシング)や歯科医院でのクリーニングでは落ちない歯の着色や汚れを、漂白効果のある薬剤や専用のライト(光源)を使い、歯を削ることなく白くして透明感やツヤを出す施術のことを指します。

私たちは日々生活していると、カレー、パスタ、ワインといった色が濃い食べ物や、赤ワイン、コーヒー、紅茶などポリフェノールやタンニンが多く含まれた飲み物を口にすることがありますが、こういったものを撮り続けると歯がだんだんと着色していきます。またタバコを吸う方は、煙にタールが含まれているため歯の表面に黄色もしくは茶色っぽい汚れ(いわゆる「ヤニ」)が付着します。

表面に着いたこれらの汚れは、歯医者さんにいくことである程度解決することができます。つまり、お口のケアの専門家「歯科衛生士」が、専用の機械や器具を使って「クリーニング」をおこなうことで、ある程度の汚れであれば取り除くことができるからです。

しかし、歯の着色の種類によってはクリーニングでも取り除けないものもあるため、その場合は専用の薬剤や光を使い、「化学反応」の力を使って歯を漂白していく必要があります。これが「ホワイトニング」という施術です。

さらに言うと、ホワイトニングには「オフィスホワイトニング」と「ホームホワイトニング」の2種類があります。簡単に違いを説明すると、オフィスホワイトニングは患者さんが歯科医院に来院いただき、歯科医師や歯科衛生士といったプロが施術します。一方でホームホワイトニングは、患者さん専用のマウスピースを製作し、あとは患者さん自身が自宅などで施術をおこないます。

今回はオフィスホワイトニングについて詳しく掘り下げていきたいと思います。

オフィスホワイトニングの特徴

①施術の場所

上記でもお話した通り、オフィスホワイトニングは患者さんに来院いただき歯科医師や歯科衛生士が院内で施術をします。

②歯が白くなるメカニズム

オフィスホワイトニングで使用される薬剤には「過酸化水素水」という成分が含まれており、この成分に歯を白くする効果があります。(ホームホワイトニング用の薬剤は、もう少し弱めの過酸化尿素を使用しています)

ホワイトニングで歯が白くなるメカニズムは「過酸化物による有色物質の分解作用」です。つまり、歯の表面に薬剤を塗ることにより、漂白成分が歯に浸透していきます。成分が歯に浸透すると、化学反応により歯自体の色を決めている色素を分解していきます。これがホワイトニングで歯が白くなっていく原理なのです。ちなみに、ホワイトニング剤に光を当てたり温めたりすると、化学反応(分解作用)が活発になり、より早く歯が白くなっていきます。

③メリットとデメリット

【メリット】
◆強い薬剤を使用するため、比較的短い来院回数と短期間で歯を白くすることができる。
◆歯科医師や歯科衛生士といった専門家が施術するので、ムラになる心配がほとんどない。
◆施術前に虫歯のチェックや歯石の除去をおこなうので、思わぬお口のトラブルを事前に発見できたり、口腔内の健康を保つことができる。
◆ホワイトニング施術中に何か異常が出た場合、すぐに対処することができる。

【デメリット】
◆強い薬剤を使用するため、しみたり痛みが出る場合がある(ほとんどが一時的です)
◆保険診療外(自由診療)なので、費用が高額になる場合がある。
◆短期間で白くできる反面、色の後戻りが早い場合がある。
◆歯科医院に通う時間と労力がかかる。

④オフィスホワイトニング  施術の流れ

【1】問診・カウンセリング
問診票をご記入いただき、担当カウンセラーが患者様のお話をじっくりとお聞きします。その上で、治療に関する説明や注意事項などわかりやすくご説明いたします。

【2】口腔内のチェック・歯の写真撮影と白さチェック
歯科医師がお口の中をチェックして、ホワイトニングの施術ができる状態がどうか確認します。また虫歯や歯周病など小さな異常が無いかもチェックします。その後、後から効果測定ができるように、歯の写真撮影と白さを記録しておきます。

【3】クリーニング
歯に汚れや歯石が着いていると、ホワイトニングをおこなった際の効果に影響が出てくるので、スケーリングやクリーニングをおこない綺麗な状態にします。

【4】歯ぐきの保護・唇の保湿
ホワイトニングの照射をおこなう際、唇が大変感想するので事前に保湿剤を塗るなどして保護します。また歯ぐきにホワイトニング剤が付着しないように、しっかりと保護剤を塗布します。

【5】ホワイトニング剤の塗布と照射
歯の表面にホワイトニング剤を塗って、専用のライトで数分間照射します。

【6】歯面についたジェルを除去
時間が来たら歯の表面についたジェルを取り除き、綺麗に洗浄します。

 ※【4】【5】【6】の工程をもう一度繰り返します

【7】仕上げ
2回目の照射が完了したら、専用のホワイトニングクリームを歯の表面に馴染ませて、丁寧に磨きツヤを出します。

【8】効果測定
施術前に記録した歯の白さと比較して、ホワイトニングの効果を確かめます。もう少し白くしたい場合は、歯科医師と相談の上あと数回来院していただき追加で施術をおこないます。

⑤ホワイトニングが出来ないケース

【施術ができない方】
 次の方は安全上の関係でホワイトニングの施術ができません。予めご了承ください。
 【1】18歳未満の方(~高校生)
 【2】妊娠中または授乳中の方
 【3】無カタラーゼ症の方
 【4】光線過敏症の方

【施術ができない歯】
 【5】大きな虫歯や歯周病がある場合(※治療して完治してからの施術となります)
 【6】エナメル質、象牙質の成長が不十分な歯
 【7】詰め物、被せ物、差し歯など人工の歯(※施術しても白くなりません)
 【8】重度の知覚過敏歯、重度のテトラサイクリン変色歯
 【9】銀歯など金属修復物から溶出した金属イオンが原因により変色した歯
 【10】残存歯(残っている歯)の本数が少ない場合

⑥ホワイトバンドとホワイトスポット

ホワイトニングの施術開始直後に、人によっては「ホワイトバンド」や「ホワイトスポット」とよばれる白い縞模様や白斑が現れることがあります。これは歯の密度が高い部分に薬剤がしみこみにくく浸透するのに時間がかかり、ホワイトニングの効き目にタイムラグが生じ、結果色むらになることによって起こります。こちらの症状は一時的なケースが多く、ホワイトニングを継続し、密度の高い部分にも薬剤が浸透すれば自然と縞模様や白斑は消失し色むらも解消されます。

以上となりますが、オフィスホワイトニングに関してご理解は深まりましたでしょうか?次回はホームホワイトニングについて詳しく解説させていただきます。

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